カテゴリー「文化・芸術」の記事

「対決―巨匠たちの日本美術」展

上野の東京国立博物館に、「対決―巨匠たちの日本美術」展を観に行ってきました。

中世から近代までの日本美術の巨匠たちを二人一組で組み合わせ対決させるという趣向で、国宝や重要文化財などの作品100点余りが集まった、とても見応えのある展覧会です。
〜ヴァーチャル美術館で数点が観られますので、ぜひ
http://www.diam.co.jp/special/kokka/

 運慶 vs 快慶  —人に象る仏の性—
 雪舟 vs 雪村  —画趣に秘める禅境—
 永徳 vs 等伯  —墨と彩の気韻生動—
 長次郎 vs 光悦 —楽碗に競う わび数寄の美—
 宗達 vs 光琳  —画想無碍・画才無尽—
 仁清 vs 乾山  —彩雅陶から書画陶へ—
 円空 vs 木喰  —仏縁世に満ちみつ—
 大雅 vs 蕪村  —詩は画の心・画は句の姿—
 若冲 vs 蕭白  —画人・画狂・画仙・画魔—
 応挙 vs 芦雪  —写生の静・奇想の動—
 歌麿 vs 写楽  —憂き世を浮き世に化粧して—
 鉄斎 vs 大観  —温故創新の双巨峰—

”琳派”やその時代のものが好きな私には、やはり「宗達 vs 光琳」、「若冲 vs 蕭白」、「応挙 vs 芦雪」に目を奪われましたが、会場の構成や見せ方ではっとさせられる展示がいくつも。
その中でも気になったものをいくつか・・・

会場を入ると、運慶と快慶の地蔵菩薩様が、それぞれ坐像、立像で迎えてくださいました。
運慶の坐像の左手に持つ金色の宝珠が、まるで中に火を灯しているのではないかと見間違えるほどの光を放っているのには驚きました。
快慶の立像は、蓮の花と雲に乗られているのですが、その雲が美しい白い珊瑚のよう。

雪舟、雪村の持つエネルギーや自由さには、不思議な爽快感が。

次の間に入ると永徳の重厚な画が並んでいますが、等伯の「松林図屏風」の前だけは静謐な空気が流れています。
以前観た時も確か暑い夏の日だったと記憶するのですが、そこだけが確かに温度までが低く感じられるのです。
「萩芒図屏風」の芒の、風にふわっとそよぐ描写も素敵でした。

そして、宗達の「松図襖」。
あの養源院にあるものと同一?場所や展示が変わると印象が変わります。

20060722_139506今回特に気になった二点のうちの一つが、光琳の「菊図屏風」。
真っ白な菊の花がもこもこと立体的になっているのがとても愛らしいのですが、”胡粉盛り”という技法だそう。
本当に光琳のデザインのセンスは素敵です。

第2会場に場所を移すと、応挙と芦雪のそれぞれ虎の毛皮や猫を参考にして描かれたという、とてもキュートな虎対決です。
応挙の”毛”や”羽毛”の描写にいつも目が釘付けなのですが、今回もそれはもうふっさふさな虎の毛でした。

そして「若冲vs蕭白」。
若冲はここ数年で集中して観てきましたので再確認といった落ち着いた目で対峙できました。

09jinbutu0201_ss_2が、その代わり、蕭白の「群仙図屏風」には大変衝撃を受けてしまいました。
エネルギーの塊のような渦(スパイラル?)を巻いた龍と水、強い風にふかれる墨で描かれた人物と極彩色の人物。
今までその奇矯さだけが印象にありましたが、今回この画の持つ強大なエネルギーに飲み込まれてしまった感じです。

最後、大観の「雲中富士図屏風」の真っ青な富士でざわついてしまった心もすっきりし、会場を後にしました。

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2つの写真展〜日水土@銀座

ちょっと時間が経ってしまいましたが、オーガニックベースにいらしてくださった二人の生徒さんが、偶然同じ時期に写真展を開かれました。


「ありがとうポラフィルム!展」@渋谷NADAR
今年の夏、生産中止されるポラロイドのフィルム。
”今までありがとう”の感謝の気持ちを込めた企画展には9名の方が参加されていました。
生徒さんのkoumeさんは、一本のお花をD.ホックニーのパースペクティブ(というのかな?)のように分割させた写真を数点展示されていました。


午後は食養のクラスへ。
初めてグループに分かれ、肝臓にトラブルのありそうな人を選び望診し、それに合わせたメニューを作る、という勉強。


新宿に移動し、もう一つの写真展へ。
Nikon01長島敏春写真展
水中スナップ「白化するサンゴ礁」@ニコンサロンbis ニコンプラザ新宿内

温暖化、温暖化、と騒がれていて、微力ながら自分でできる事は何か?と考えてはいましたが、人類に嘘偽りのない現実を突きつけられたような気がし、衝撃を受けました。
日本のサンゴ礁の55%を占める石垣島の現在の姿です。
死滅し白くなったサンゴの周りには、生気のない魚がただ漂っているだけ。。。
2007年を境に美しいサンゴ礁と白化した後を対比させた展示になっていて、余計にその悲しさ、深刻さが際立っていました。

詳しくは長島さんのHP、ブログへ(ご本人の許可を得ています)
http://www.sangokun.com/

長島さんは、ご夫婦でクラスに参加してくださいました。
このような環境問題から食という事を意識され、以前からマクロビオティックを実践されていらっしゃいます。


夜は、食養の方達と以前から誘っていただいていた「日水土」@銀座へ。
農薬はもちろん、肥料も与えていない自然栽培のお野菜のナチュラル・ハーモニーのレストランです。


いただいたのは「季節野菜 ハーモニーの晩御飯」

Img_1707まず食前に「河内晩柑のミモザ」

Img_1709前菜の爽やかな野菜たち

Img_1710サラダ

Img_1711
野菜料理の盛り合わせ
自然栽培米
お味噌汁
自然栽培番茶

どれもやさしいお味で、大満足。
3日後にまた、母を連れランチに訪れてしまいました。

ナチュラル・ハーモニー代表河名氏の講演会にも、5月に誘っていただいて参加したばかり。
”有機”という表示のからくり、有機肥料=牛糞については以前から疑問でしたので(野菜のにおいも気になる・・・)、お話を伺えてすっきりしました。
その後、自然栽培、自然農を実践されている方と次々と出会いが広がっています。
この話はまた後日。

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失われた時間を求めて@ベニサン・ピット

阿佐ヶ谷スパイダースの新作公演に行ってきました。

New_ushinawareta3阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS
『失われた時間を求めて』
作・演出:長塚圭史
出演:中山祐一朗 伊達 暁 長塚圭史 奥菜 恵


 3人とひとりと長い椅子 そしてどうしようもなく夜
 ばくばくと 呑まれていくのか 恐るべきものへ


阿佐ヶ谷スパイダースは長塚圭史、中山祐一朗、伊達 暁の3人のユニット。
作品毎にゲストを迎えるスタイルで、今回は奥菜恵一人を加えた4人だけの舞台。

今回はいつもとは編成の規模も違う、あらすじ、人物設定などの前情報もまったくなし。
タイトルも「失われた時間を求めて」=プルースト?!と、謎だらけでした。


公園(なのか?もはっきりしない)のベンチの周りの側溝の枯れ葉の中に、「何か」を探す人たち。
「いなくなった猫」を探している男。
いなくなったのは昨日だという男、いや、いつだったか記憶がないほど昔だと言う「男の弟」であり、「兄」かもしれない男。
日常を飛び出し、誰かの「時間」を共有しようとする女。


ここ数年の「阿佐スパ」を観るたびに、脚本の内容といい、設定、登場人物、キャスト等々すべて、行き着く所まで行ってしまった感(極陽??)がありました。
役が人格を持って勝手に喋り出し、暴走してしまうような。(今回はどこを切っても、すべて長塚氏の思考を皆で語っているように聞こえました。)
それがまた陰となり、今までの阿佐スパの世界を軽やかに解体した、長塚氏の手腕!
やはり彼のセンスは信用できます。
私達は、すごい作品を観たのかもしれません。

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ベジャール追悼公演

2007年11月、偉大なる振付家モーリス・ベジャール氏がお亡くなりになりました。
彼の偉業を讃える公演が2日間に渡って行われました。

〈モーリス・ベジャール追悼特別公演〉
「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」@東京文化会館

幼い頃から古典バレエには連れられて行っていましたが、ベジャールは中学生の頃、初めて自分の意志で観に行ったバレエです。
その頃は、彼のカンパニー”20世紀バレエ団”(のち”モーリス・ベジャール・バレエ団”)もあり、偉大なるダンサー ジョルジュ・ドンも健在でした。
”全身が鳥肌が立つほどの感動”というものを初めてしたのが、彼が踊る「ボレロ」でした。

今回の公演は、ベジャールの作品をいくつも託されている”東京バレエ団”で、2日間の主要キャストはすべてダブル・キャスト。
以前観たミシェル・ガスカールやジル・ロマンのチャーミングな踊りのイメージが強く残っている「ギリシャの踊り」を、ぜひ中島 周さんで観てみたいと思い、11日を選びました。

90e3938fec061041ede4c59c19dfdad4中島 周さんが目当てとは言え、観るのは初めてだったのですが、作品のオープニングの群舞での輝き、オーラには驚きました。
男性は皆同じ、白のゆったりとしたパンツを纏い、全員が同じ動きから始まるのですが、立ち姿、手の動き、身体のライン(もちろんベジャール独特のポーズも!)すべてが素晴らしく、どうしても目が行ってしまう魅力がありました。

真っ黒な舞台でソロを踊る時、私には彼の横にとても大きなベジャール氏の顔が浮かび上がるのが見えました。
”ああ、ベジャール氏に見守られるべくダンサーなのだな”、と思いました。

氏の作品は絶対的に、テクニックだけではなく、踊るダンサーの魅力が他の作品よりも重要だと思っています。
現在の東京バレエ団では、彼と上野 水香さん(彼女のプティも○)の2人が、ベジャールの作品には合っているように思いました。

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